若手時代のキャリアデザイン
みなさん、こんにちは。トリプルバリューCCOの千葉裕子です。
3月は「新人時代のキャリアデザイン」をお届けしましたが、そんなピカピカの新入社員も研修期間を終えて、もう職場内教育(OJT)がスタートしている会社もあるかもしれませんね。
さて、ここで質問です。
みなさんの会社では、新人を一人前の若手社員に育てるために、
1.どのような育成目標をお持ちでしょうか?
2.どのような育成計画を立てているでしょうか?
3.目標と計画は、経営・マネージャー・OJT担当者(先輩)・本人で共有させているでしょうか?
多くの企業から若手社員の育成をお任せいただいていると、経営層や現場社員のみなさんから「うちの若手には主体性がない」「思うように育たない」というお声をお聞きします。
一方、若手社員の側にヒアリングをすると、彼らにとっての最大のストレスは「ファーストキャリア形成期の不透明さ」にあることが見えてきます。
<若手社員の声>
・「1日も早く一人前になれ」と言われたが、いつまでにどうなれば一人前なんだろう?
・自分から主体的に自己啓発しようと思っても、範囲が広すぎて全体像が見えない
・年の近い先輩やロールモデルはおらず、どういう方向性で能力開発をすればいいのかわからない
・見えないことが多すぎて、今の会社で働くとどうなるのかイメージできず、今後のキャリアに対して漠然とした不安がある
いかがでしょうか?
我々はつい「1日も早く」「即戦力」という言葉を使って若手社員を鼓舞しますが、キャリアデザインの観点から言うと危険な言葉。近視眼的になって仕事の全体像が見通せなくなり、人生100年時代をしなやかに生き抜くビジネス基礎力を養えません。それよりも、「中長期的なキャリアビジョンを持って、どんな環境変化があっても70歳まで楽しみながら働ける社会人になろう」と動機づけ、しなやかで強いビジネスパーソンの基礎をつくる計画を示したいですね。若手社員の目の色が変わります。
(若手社員のみなさん、そうですよね?)
では、具体的にどのような目標と計画があればいいでしょうか?
経済産業省が2006年から提唱している社会人基礎力はご存知のことと思いますが、
2017年に「人生100年時代の社会人基礎力」として再定義しています。ビジネスパーソンの基礎能力をコンピューターのOSと位置づけ、ファーストキャリア形成期に戦略的に身につけることを推奨しています。その上で、業界や自社の特性に応じた能力をアプリに例え、環境変化やニーズに合わせて常にアップデートするようにと訴えているのです。
出所:社会人基礎力(METI/経済産業省)
若手社員のみなさんは、自分のキャリアに対する意識をしっかりと持ちましょう。
大切な自分の人生を会社任せ、上司任せにしてはいけません。自分一人で勝手に考えろと言っているのでもありません。
一体自分は「どのように活躍したいのか」を考え、職場という実践の場で「何を学ぶのか」「どのように学ぶのか」を主体的に上司や先輩に提案し、行動を起こしていきましょう。
まとめです。
若手社員時代に大切な視点は2つあります。
1.社会人としての基礎能力(OS)を鍛える
⇒とくに「自分のキャリアは自分で切り拓く」という意識と前向きな考え方を持つ
2.偶然による仕事や人との出会いを大切にする(仕事を選り好みし過ぎない)
⇒若手時代は絞り込むよりも、いかに広げられるかが大事。大いに学ぶ
3.与えられた仕事で結果を出すために全力を尽くす経験をする
⇒この経験が「仕事も丸ごと楽しめる人生」になるかどうかを決める
トリプルバリューでは、エンゲージメントを高めるキャリア開発のご相談も承っていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。ワクワークしているスタッフからご連絡差し上げます。